兄弟姉妹
弟たち
カジミェシュとアダム
家族
アダム・アントニ、通称アダシは、ユゼフの2年後、同じくズーウフで生まれた。兄たちと同じく、彼もヴィリニュスで学んだ。ブロニスワフは日記にこう書いている。「誰もアダシを助けてやっていないが、彼は勉強がよくできる。アダシの評点はギリシア語と数学が4、他の科目は3だ。彼はジュークとほぼ同じくらいの才能がある。〔中略〕わが愛するアダシは完全にジュークの足跡をたどっている。食べ物について言えば、彼が好きなのはビフテキと甘味だけで、すべてのものに眉をひそめ、それは良くないとつぶやく。」才能に恵まれていたものの、アダムは中学校での教育を終えなかった。1900年まで彼はサモギティアの一家の領地テネニエにいた。一年後、アダムは発電所を建設する仕事に就き、その後ヴィリニュス市当局で働いた。1909年からはヴィリニュス市庁の簿記係長として働いた。ミハウ・ヴェンスワフスキ市長とともに彼は、市の水道供給システムと下水道システムを構築するために、連合王国で担保付きの国債を獲得する仕事に加わった。1932年に退職すると、ヴィリニュス市庁への政府の財務代表に任命され、2年後にはヴィリニュス市長代理となった。死の3カ月弱前にアダムはポーランド共和国の議員となった。社会活動や慈善活動に携わり、ある地区の貧民の世話を担当する部局の長を務めた。彼はまた在ヴィリニュス・ポーランド商業・経済知識協会の監督庁の議長、在ヴィリニュス・ポーランド協同組合職業銀行の監督庁のメンバー、「利息のない信用貸し」協会の監査委員会のメンバーなど、数多くのビジネス上のポストを占めた。1932年11月9日に国家と社会の領域での仕事と地方政府の仕事の功績により、アダムはポロニア復興勲章オフィサーズ・クロスを授与された。彼はゾフィアとユゼフと同じ年に亡くなった。アダムは国立鉄道評議会の会議にヴィリニュスの代表としてワルシャワにやって来た。2日後に倒れ、両側の肺炎が致命的であることが判明した。1935年12月16日、彼が亡くなる時、他の人々の中で、妻レオニア・ユリア・ウォドヴィゴフスカとの間にできたただ一人の子供、娘で医師のワンダ・パヴウォフスカが彼のそばにいた。アダムの葬儀は2日後にヴィリニュスのロッサ墓地で執り行われた。ワルシャワのポヴォンスキ墓地には彼のシンボリックな墓がある。1939年5月にヴィリニュス市当局は市の負担でアダム・ピウスツキの記念碑を建立することを決めたが、この計画は実行に移されなかった。
ブロニスワフはまたもう一人の弟の教育にも気を配っていた。彼はこう書いている。「僕はアダシに蜂起に関する本を読むように与えた。そしてジニオにもう一冊を。お前たちはそれらを読書のために役立てなければならない〔中略〕彼らが読むだろうと分かっているから。」カジミェシュ・ガブリエルは1871年にズーウフで生まれた。邸宅が火事で焼けた後、兄弟姉妹の父ユゼフ・ヴィンツェンティはサンクト・ペテルブルグで貯蔵所とイースト蒸留店を経営していた。カジミェシュは1914年までこの街にとどまり、父と一緒に働いた。二人はテーブルワイン、リキュール、精錬したアルコールを蒸留する方法によって製造するウォッカを生産する工場を経営していたが、父が亡くなった後、息子は会社を去ることを余儀なくされた。その後カジミェシュはエンゼロ・テヘラン道路会社の会計係の職を得て、十月革命の間に会社が倒産するまでその仕事を続けた。同時に1913年、彼はサンクト・ペテルブルグの「ルイーザ・ルーヴァー洋服会社」のオーナーとなった。この会社は婦人とアーティスト向けの衣服を縫製していた。社名は、彼の妻であるオーストリア女性の名前にちなんで命名したものである。この女性は1910年にサンクト・ペテルブルグに来て、たちまちロシアの首都の家庭でよく知られた婦人服の仕立屋となった。彼女が1917年までサンクト・ペテルブルグの外国人のリストに掲載されていたことは知られているが、その後の運命は不明である。他方カジミェシュは、第一次世界大戦後にヴィリニュスに戻り、銀行、その後最高会計監査庁で働いた。彼はポーランド・チェス連盟に積極的に関わり、1931–1932年にその理事会のメンバー、そして副会長、1931年と1933–1935年に国際チェス連盟のポーランド代表、 1937年からは ポーランド・チェス連盟の名誉会員となった。同年、カジミェシュは「社会的な仕事の分野での功績に対して」金十字勲章、翌年には「独立回復に向けた仕事に対して」独立記章を授与された。1939年9月17日にソビエト軍がヴィリニュスに侵攻すると、彼と弟ヤンは内務人民委員会によって逮捕され、ソ連の監獄（ルビャンカとブティルカ）に監禁された。カジミェシュはこれらの辛苦に耐えることができず、70歳の年齢でブハラで死亡した。元帥の娘ヴァンダ・ピウスツカはインタビューでこう回想している。「カジミェシュ叔父さんは戦争を生き抜くことができず、極度の疲労で亡くなりました。ヤン叔父さんはカジミェシュ叔父さんより若く丈夫だったので、中東を抜け出て連合王国にやって来ました。」
